俺何書いてるんだろ・・・大丈夫か
いたるSS
いたる「一所懸命描いた絵を、みんながグロ画像っていう・・・」
いたる「もっと、うまく描かなきゃ!」
いたる「そうしないと・・・麻枝さんに認めてもらえない・・・」
いたる「よーし、がんばるぞー」
数日後
麻枝「なんだこれはぁ!!」
ガシャアアアン
いたる「ひ、ひいっ!!」
麻枝「こんな・・・こんなクソ絵で俺の作品に泥を塗る気か!!」
麻枝「こんなの、売れるか!!描き直せっ!!」
麻枝はそう怒鳴ると、いたるの描いた絵を、真っ二つに引き裂いた。
ビリビリビリ!!
いたる「あ・・・わたしの・・・絵・・・・」
真っ二つになった絵の上で、
いたるはしくしくと泣き続けた。
いたる「麻枝さんをあんなに怒らせちゃうなんて、やっぱり、わたしがいけないんだっ」
いたる「もう、絶対あんなこと言われないようにしなきゃ・・・」
いたるの画風がよく変わるのは、単(ひとえ)に、麻枝に認めて欲しいがためだった。
Na-Ga「フヒヒ、いたるさん、なんスか、これ。落書きっスか?」
いたる「あ・・・それは・・・リトルバスターズの、原画・・・」
Na-Ga「えっ!!これが、原画???あっはっはっはっは」
Na-Ga「ここと、ここと、ここ。直した方がいいじゃないんスか?消しときますねー」
いたる「あっや、やめて!」
Na-Gaは、いたるが描いた大方の部分を消してしまった。
いたる「うう・・・ヒドイ・・よぉ・・・・」
Na-Ga「大丈夫ですよ、リトバスの原画は、全く遅れてませんから。僕がいますからね。ヒッヒッヒ」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、いたるはその絵を描き直した。
どうしても、さきほどの絵よりも劣ってしまう。
いたる「(うまく描けたと思ってたんだけどな・・・)」
いたる「やっぱり、Na-Gaくんや、みんなから見たら下手なのかも・・・もう、どうしたらいいか、わからないよ・・・」
すると、麻枝がやってきた。
麻枝「おー、描いてるねえ。おっ!!この絵いいじゃないか!素晴らしいぞ!」
いたる「えっ!ほ、本当ですかっ・・・」
いたるが、絵を誉めてくれた麻枝の方を さっ と振り向くと・・・・
Na-Gaの原画を掲げた麻枝の姿があった。
Na-Ga「いえいえ~そんなこと無いっスよ~。麻枝さんに気に入ってもらえたんなら、光栄っス」
麻枝「うーん、いいねぇ。全く、どこかの誰かさんにも見習わせたいよ・・・」
いたる「(わ、わたしのことだ・・・)」
いたるは、しゅん となってしまった。もう今日は筆が進みそうにない。
カンバスに筆を置いても、手が震えてしまって描けないのだ。
麻枝「なんだ、いたるは今日描かないのか。ただでさえお前はアレなんだから、もっと頑張れよな~・・・」
いたる「は、はい・・・」
いたるは、下を向いたまま、麻枝が出て行くのを待った。
Na-Ga「ところで、いたるさんが描くことになっていた西園ですけど、僕がやっていいっスかぁ?
ほら、いたるさん、なんか作業遅れてるみたいだし・・・」
麻枝「おお!やってくれる??ユーザーさんも喜ぶと思うよ~。悪いね、そんなにいっぱい任せちゃって。」
Na-Ga「いえいえ、そもそも全員できたと思いますよ、僕一人でも」
いたる「(・・・そんな・・・。もう、西園は私が描いてるのに・・・)」
と、選んでいた開発初期の頃が思い出され、いたるは涙を抑え切れなかった。
自分の描ける限界を定め、考えに考えて選んだ最後のキャラクターが、西園美魚だった。
それなのに、もう、無理をする必要も無くなってしまった。
さらに、何週間もかけた西園のCGも、全て不要となった。それが悲しかった。
思えば、最初の頃。
いたる「私、鈴ちゃんを描きたい!」
麻枝「は?・・・いや、今回は、Na-Gaがいるから・・・。Na-Gaに頼むよ。」
まるで自分のシナリオのキャラが汚されたくないかのように、あっさりと麻枝に断られたことがあった。
いたる「(麻枝さんは、本当は私にキャラを描かせたくないのかもしれない・・・)」
いたる「(やっぱり、私なんかいない方が・・・Na-Gaさんだけでも十分だったのに・・・
私、足を引っ張って・・・・)」
ぽとぽとと原画に涙が滴る。
いたる「あ、いけない、絵が、だめになっちゃう・・・」
焦って、涙をティッシュで拭くいたる。
いたる「(・・・だめになっちゃうって、元々・・・だめだよね・・・)」
拭いた絵はやはりインクが滲んでしまい、描き直しは免れなかった。
輪郭のぼやけた自分の絵を見て、いたるはさらに惨めな気持ちになる。
一年後
麻枝「みんな、聞いてくれ!!リトルバスターズエクスタシー!を出すことに決まった!!」
みんな「おおおお!!」
麻枝「それにあたって、18禁になることになった。」
みんな「おおおお!!」
いたる「(えっ・・・!そんな・・・!)」
いたるは、予想外の出来事に驚いた。何故なら、いたるはもう18禁は描きたくないと麻枝に懇願していたからだ。
だから、クラナドは全年齢になったし、智代アフターでも自分以外の人に描いてもらった。
全ては、あのトラウマを蘇らせないため・・・・
いたる「ど、どういうことですかっ麻枝さん!18禁にするなんて・・・・!」
麻枝「ん?決定事項だから。その方が売れるのに、お前だけのために、全年齢対象なんて、できるわけないだろ。」
いたる「そ、それは・・・」
麻枝「もし嫌なら、辞めてもらうまでだが」
いたる「そ、そんな・・・」
麻枝「あー、みんな悲しむだろうなぁ。こまりも、くるがやも、はるかも、かなたも、み~んな出てこないんだもんなぁ。」
いたる「・・・!」
麻枝「Keyは叩かれるだろうな・・・俺もクビかな。誰かがそもそも全年齢版で描いたがために、そんなことになってしまうのかぁ・・・」
いたる「(わ、わたしが描かないと・・・!たくさんの人に迷惑がかかっちゃう・・・)」
麻枝「もう、お前がわがままを通せる時代は終わったんだよ。お前には選択肢は無いんだ。」
いたる「わ・・・わかりました・・・」
そしていたるへの陵○がはじまる・・・・
続かない