122 名無しのオプ :2010/10/01(金) 20:14:33 id:HAsfDgkE
結婚前夜。
幼馴染の由美と6年の交際を経て、ようやく結婚することになった拓哉。
二人の思い出のアルバムを見ながら感情に浸っていると、突然、由美から電話が入った。
彼女は終始泣きじゃくっていてうまく話せなかったが、彼女の言葉を要約すると、
「今結婚することは、2人の人生にとってベストではないの。
ごめんなさい」
ということだった。
頭が真っ白になった。
もともと気の変わりやすい彼女ではあったが、今回に限っては到底許される話ではない。
結婚式には何百万という費用を費やしており、親戚や友人、会社の上司など、百人近い人を招待している。
いや、金や世間体の話ではない。
僕は、必死で説得した。
それでも、由美はただ謝るだけ。
ついには泣いたり怒鳴ったりする僕に対して、
「勘違いしないで。
あなたを愛している気持ちは変わらない」
と彼女。
僕は、その一言で決心する。
そして結婚式当日の朝。
予定時間を少し過ぎ、急いで式場に着いたものの、由美の姿はない。
ロビーでフラフラしていると、友人が深刻な表情で僕に耳打ちした。
「拓哉が自宅のマンションで転落死したらしい」
僕はすごく眠かったけど、驚いた表情で涙を浮かべてみせた。
あぁ、神様。
自殺した拓哉の分まで由美を一生守り続けることをここに誓います。