わさらー「ねえ雪中、うちのおばあちゃんね、お盆になると精霊馬と一緒にお供えを川に流すのが当たり前だったんだよ。」
雪中「そうなの。川は仏様の通り道なの。」
わさらー「でも、いまはそれをやると“ゴミを流すな”って怒られるんだ。警察沙汰にもなるからって、息子夫婦に止められて…おばあちゃん、泣き崩れちゃったんだよ。」
雪中「そうなの。川に仏様を送れなくて、涙だけが流れたの。」
わさらー「母は呆れ話だって笑ってたけど、私はちょっと考えちゃった。ずっとやってきたことが、ある日“もう終わり”って言われるのって、きっとすごくつらいよね。」
雪中「そうなの。人の一生より、風習の方が先に死ぬこともあるの。」
わさらー「……なんか、寂しいね。」
雪中「そうなの。でもお盆だから、寂しさもきっと仏様のお供えなの。」
