【質問】
日本でも銃の所持が認められていれば,犯罪者に対して抑止力になったのでは?
核の様に,相手も武器を持っているかもしれないから,返り討ちにあってしまうという抑止力が働くはずでは?
【回答】
国家レベルでの話と,個人レベルでの話とは混同すべきではないと思われ.
抑止力という概念は国家間で生じるとされるもの.
国家間での現象を,個人間での何らかの事象に転じて比喩的に言うことはあるだろうが,本来的には両者は異なる.
事実,警察は市民の武装が犯罪の抑止になると考えていない.
法を犯しての武装の結果によって暴徒を無力化しても,それは法的には私闘.
また,銃器が手元にあると,感情的になったときに使いやすい.
例えば米軍の戦地での自殺の9割は軍が支給した火器を使っている.
全米ライフル協会は抑止力を訴えているが,これはどこかの広告代理店が考え出したたわごと.
強力な武器が世間一般に広がれば,殺人の裾野が広がって,凶悪さの高みが増すだけで,何一ついいことない.
夫婦喧嘩が射殺事件に発展とか,ろくでもないことになるだけ.
日本でも銃の所持が認められるってことは,犯人も銃を持てるってことだ.
もしそうなっていたら,件の事件では犯人は,刃物振り回す代わりに銃を乱射してただろうから,死者はもっと増えてるだろ.
なんにせよ,抑止力ってのは相手に思考力や自制力があるから有効な概念なのであって,後先考えずに通り魔やらかす相手に期待できるものじゃない.
むしろ,事件発生を「まさか」とか思わずに即座に認識し,警報を発するのが重要.
強いて軍事的に回答すればね.